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~レクイエムの大迷宮 地下6階~ 『さて…残るはテメエの番だな?』 「ううッ…!」 意地の悪い口調で、デルフリンガーはハイウェイスターの本体である噴上裕也を見下ろして言う。 『どうするよタバサ?煮るかい、焼くかい?それともバッサリかい?』 「……………」 タバサは無言で、噴上裕也の前で再びクレイジー・Dを展開する。 ただそれだけで彼女の意志は明らかとなる。地面にへたり込んだままの噴上裕也は冷や汗を流しながら彼女の姿を見上げ、顎を指で弄ると言う彼特有の無意識下での恐怖のサインを示した。 「……参った。悔しいけどよ、あんたの勝ちだ」 しばしの無言の後、噴上裕也はふぅ、と嘆息して、タバサの姿を見据えたまま言葉を続ける。 「あんたのガッツは大したもんだ。俺と運命の車輪の二人掛かりでも倒せなかった……。 マジで強いヤツだと思ったよ。どんなピンチだろうと冷静な判断を下せる、あんたのその精神力がな。 俺の負けだ……マジでビビッたよ。だが喜んで“敗北する”よ。 アンタのような人間と戦って敗れ去ることは、寧ろ誇るべきことなんだと俺は思う」 そして、やってくれ、と言わんばかりに噴上裕也は全身から力を抜いた。 そんな彼からは、既に一切の闘争心が感じられない。 タバサは暫くの間、いつも通りの無表情のまま噴上裕也を見下ろした後、おもむろにクレイジー・Dのスタンドを解除してくるりと振り返って彼に背を向ける。 運命の車輪との戦いでマントを失った彼女の細くて小さな肩が、噴上裕也の目にはっきりと映る。 「!?」 『おい……タバサ!?』 驚愕の表情を浮かべる噴上裕也とデルフリンガーに、タバサはいつも通りの小さな声で答える。 「もう終わった。先に進む」 そのまま、噴上裕也のことなど気にも留めずに次の階層に進む為の階段を目指して歩き始める。 『おいおいおい!?そんなコト言って、またアイツがあの足跡野郎を出して来たらどーすんだよ!? また後ろから襲われたら、今度こそどーなるかわかんねーぞ!?』 悲鳴のように騒ぎ立てるデルフリンガーの言うことは尤もだった。 運命の車輪によって火達磨になりかけ、また他ならぬ噴上裕也のハイウェイスターから体内の養分をかなり吸い取られた以上、普段通りの無表情で歩いている物の現在のタバサは体力を相当消耗しているはずだった。 それなのにタバサは、噴上裕也を放置して彼に対して無防備な背を向けている。 自分でも、まったく以って不思議だとタバサは思う。 以前のタバサなら、噴上裕也が降参を宣言した時に、そのまま確実にトドメを刺していただろう。 だけど出来なかった。やろうとさえ思わなかった。 そのことに関係して、タバサの中には一つの疑問があった。 何故ハイウェイスターは運命の車輪が炎を巻き起こした時、自分だけ逃れようとしなかったのか。 例え本体に受けたダメージの影響を与えない自動追尾型のスタンドであろうと、タバサと共に共に炎に撒かれる必要があったのだろうか? ハイウェイスターはスタンド使いの分身とも言うべき大切な存在であるにも関わらず、だ。 きっと、戦いたくない相手なのだろう。 タバサは自分の背後にへたり込む噴上裕也に対して、そういう判断を下した。 スタンドはスタンド使いの無意識下の精神に影響を受けて発現する存在。 ならば噴上裕也の中にも、先程のハイウェイスターが見せた、己の命を賭けてでも仲間の勝利の為にその身を犠牲に出来る「覚悟」があるのでは無いだろうかと思ったのだ。 そうした「覚悟」を持つ人間が、タバサは好きなのだ。尊敬している、と言っても良い。 お人好しな性格ばかりのハルケギニアの友人達は勿論、あのエコーズAct.3だって同じだ。 そして娘の自分を守ろうとして、心に一生消えない傷を残すことになった母もそうだったのだから―― 「もう何もしないなら、それでいい」 そんな噴上裕也が、自らの敗北を認めたならば、それだけでタバサは充分だった。 そして真摯な瞳でタバサを見据えて言った彼の言葉を、嘘だとは思いたくなかった。 『……タバサ。本当にいいのか?』 「いい」 デルフリンガーが自分の身を案じてくれているのが、はっきりと伝わって来る。 だがそれでも、タバサは迷わずに言った。 『ま…しゃーねえか。アンタは一度そう言い出したら聞かないヤツだからなぁ』 「そう?」 『そうさ。意外とガンコ者だぜぇ?』 「…………」 それ以上は何も返さずに、タバサは無言になって歩き続ける。 「何もしないなら、それでいい……か」 先程から地面に座り込んだままの噴上裕也が呟いて、力無い所作で立ち上がる。 「――甘いぜ。甘すぎるぜ。そんな甘っちょろいことでよォ~…… この先の大迷宮を戦って行けると思ってんのかァ!?ハイウェイスタァァァァーッ!!」 叫んで、噴上裕也はようやく完全に回復したハイウェイスターを再び発動させた。 ごく近距離でさえあれば、ハイウェイスターは噴上裕也の意志によってある程度自由に操作出来る。 噴上裕也は無防備な背を向けるタバサに向けて、時速60kmの超高速でスタンドを急接近させて行く。 そして間も無く、前を行くタバサに追い付いたハイウェイスターは彼女の細く、触れただけでも折れてしまいそうな首筋を狙い、その掌を叩き付けようとして―― 「……何故だ」 噴上裕也は呆然と呟いた。ハイウェイスターの掌は、タバサの首筋に触れる直前で止まったままだ。 タバサは一切の抵抗する素振りを見せず、その顔を僅かに振り向かせて、自分の背後に立つ噴上裕也とハイウェイスターの姿をじっと見つめていた。 いつもと変わらぬ、氷のように無感情な彼女の瞳が噴上裕也を射抜く。 「何故…抵抗しなかった!俺がこうしてまたハイウェイスターで追跡する可能性は充分にあった! 罠を仕掛けるなり、クレイジー・ダイヤモンドで迎え撃つなりする方法もあった筈だ…… なのに何故!お前は何故それをしようともしなかったんだ!?」 ハイウェイスターの動きを止めたまま、噴上裕也はタバサ達に近付きながら叫ぶ。 タバサはその視線を噴上裕也に向けながら、静かな口調で答えた。 「……あなたが、嫌いじゃないから」 「………!」 「嫌いじゃない人と戦うのは…嫌だから」 尊敬出来るかもしれない相手を、自らの手に掛けるということは、何よりも耐え難い苦痛だ。 かつて一度、ハルケギニアで最愛の友人達と戦わねばならなくなってしまった時に、自分の胸の内に生まれて来た、あの果てしない恐怖感と絶望感を再び味わうことになるのは、もう二度と嫌だった。 既にタバサには、噴上裕也に対する敵意は持っていない。 例え敵同士として出会った関係であろうと、今はもう噴上裕也のことを殺したくは無かったのだ。 「……カッコ悪いぜ。そんなこと言われちゃあ…今の俺ほどカッコ悪い話はねーぜ…!」 唇を強く噛み締めて、噴上裕也は今度こそ闘争心の全てを失ってハイウェイスターの発動を解除した。 「負けたよ。今度こそ完ッ璧にあんたに負けたよ。 あんたの心には前に突き進む為の「覚悟」ってヤツがあるらしい…。 吉良みたいなドス黒い「邪悪」なヤローとは違う、もっと気高く誇り高い精神がな…… あんたとそこのお喋りな剣なら、この奥にいるレクイエムに辿り着けるだろう。 ――クレイジー・ダイヤモンドか。仗助のヤツと言い、あんたと言い…… どうやらそのスタンドは、マジで大切なモンってヤツが何なのかを、俺に教えてくれるらしい」 真正面からタバサの顔を見つめて、噴上裕也は胸の内にある本心からの言葉を吐き出した。 『ま、オレもアンタがそこまで言うならもう構わねぇけどよぉ~…… あの時テメエがマジでタバサに仕掛けていたら、オレは何があろうとテメエのことをブッた斬ってたぜ』 普段とさほど変わらぬ口調でデルフリンガーは言う。しかしその言葉の中には、普段のように冗談を交えた気配が全く無く、今の彼なら本気でやるだろうと思わせるだけの凄みがあった。 「悪かったよ。だがもう二度とあんなコトはしねーから、安心してくれや」 『へいへい、ま、肝心のタバサにその気が無いんじゃ、どうしようもねえがな。なあ、タバサ――』 そこでデルフリンガーがタバサの名前を呼んだ瞬間。 彼女の体がぐらりと傾き、体勢を崩してその場に倒れ込もうとしていた。 『な!タバサ!?』 「おっと――!」 倒れそうになったタバサの体を、慌てながらも噴上裕也が手を伸ばして受け支える。 『オイオイ!テメー、どさくさに紛れてタバサの胸を掴むんじゃねー! やっぱり今からオレ様が速攻でブッた斬ってやろーか!?』 「アホか!こんなチビの薄っぺらい胸なんぞ誰が……って、ンなこと言ってる場合か!!」 『そうだった!おいタバサ、しっかりしろ!おーいタバサ!』 「……うるさい」 半開きになった目で、弱々しい口調ながらも、それでもタバサははっきりと二人に返事をする。 『タバサ!……ったく、いきなりブッ倒れたりするモンだから、オレ様おでれーちまったぜ』 「………お腹」 『ん?』 「……お腹空いた……」 深く息を付きながら、タバサはやや虚ろな表情で受け支える噴上裕也の顔を見上げる。 自分が彼に抱きすくめられている格好になっていることに対しては、特に嫌悪感の類は無いらしい。 『は…腹が減ったぁ!?オイオイ、何かと思ったらそんなことで……』 「いや、こいつぁ結構マジな話だろうぜ」 幾ら女性としては未成熟だからと言って、若い女の胸を掴み続けることには抵抗があるのか、それとも先程のようにデルフリンガーを挑発したくないのか、ともあれ噴上裕也はタバサを支える為にその体を掴む手の位置を変えつつ、口を開いた。 「さっきから俺が随分とハイウェイスターで養分を吸っちまったからな…… その結果、こいつの身体が代わりの栄養分を求めて「空腹」を訴えるのはごく自然な話だろう」 『……だったら今すぐタバサにその養分ってヤツを返してやれよ、オイ』 「俺だって出来るならとっくにそうしてるさ。 だがな、ハイウェイスターは元々俺が大怪我をした時に目覚めた能力でな…… 傷を治す為に養分を吸収する力はあっても、相手に「供給」するって機能はねえんだよ」 『何ィー!?じゃあ今すぐタバサが食えそーなモンを持って来やがれってんでぃ!』 「食い物か……病院からくすねて来た点滴ならあるんだがな。 ま、ちと味はマズいが養分だけなら大したもんだ。こいつで我慢して貰うとするか」 『なんだよ、この……何だぁ?透明な袋に入った薬みてーなモンは』 「薬なんだよマジで。まあ、お前みたいな喋る剣が点滴なんて知ってるワケねーか…… おい、お前タバサとか言ったな?とりあえずこん中に入ってる奴を飲め。 味は良くねぇし腹も膨れねーが、栄養だけならタップリあるぜ?」 「………うん」 噴上裕也は点滴をタバサの口元に近づけて、中身を口に含むように促した。 彼の言葉を素直に聞き入れたタバサは、言われた通りに点滴のパックに軽く口を付けて、 そのまま母親に抱かれる赤ん坊のように、点滴の中身をちゅうちゅうと吸い始める。 「んっ…う……あまり美味しくない……」 「我慢してくれ。飢え死にするよりはマシだ」 「うん……んっ、ちゅ…ふぅ……はぁ……」 『本当に大丈夫なんだろうな、オイ』 「栄養面については問題ねぇ。後は点滴の栄養が体内に回るまで、暫く安静にしてた方がいいだろうな」 『暫く、か……このフロアーに敵はもういねーのか?』 「わからねえな。少なくともさっきまでは俺とズィー・ズィーの野郎しかいなかったが」 『おいおい。また新しい敵が出てくる可能性もあるってコトかい?』 「ああ。俺達、この世界の住人が単なる“記録”に過ぎねぇってことは知ってると思うが、そうした“記録”が、時間を置いて次から次へと這い出してくるって可能性は否定出来ないな」 『クソッ……!タバサがこんな調子じゃあ、オレにゃー満足に守ってやるコトは出来そうにないぜ……!』 タバサの腰のベルトの中で、デルフリンガーが口惜しそうに歯噛みをする。その時だった。 「――いやいや安心給え。そちらのお嬢さんの身の安全は、私が保証させて貰うよォ~」 突然、その場に第三者の声が聞こえて来る。 落ち着き払っているその声は、若いようにも、歳を取っている様にも聞こえる、そんな男性の声だった。 『ン!?誰だッ!』 デルフリンガーが鋭く吼え、噴上裕也も油断の無い表情でハイウェイスターを展開する。 「ハハハ。まあ落ち着いてくれ、喋る剣クン。私は決して敵じゃあない」 『信用出来ねぇな。持ち主以外は信用するなってゆーのが、オレのポリシーなんでね』 「なるほどな。どうやら君は私が思っている以上に、修羅場を潜り抜けているようだ。声の調子でわかる」 真っ直ぐにこちらに向けて声の主が近付いて来るのが、タバサ達の目に映る。 歳の頃なら三十代後半から四十歳のどの年齢でも構わないような、中年の男性だった。 小洒落たスーツと帽子を羽織り、脇にはワインボトルをブラ下げながら、手には包み紙に覆われたサンドイッチ。もう片方の手では、そのサンドイッチに対してこれでもかと言う程ペッパーを掛けている。 だが、その容貌や服装とは別に、タバサ達にはその男の様子に違和感があった。 それは恐らく、しっかりした足取りで歩いて来ているのに、足音が殆どしない為だろう。 この男は油断がならない。ダバサを守るように陣取るデルフリンガーと噴上裕也の間に緊張が走る。 『オイ』 「なんだよ?」 『いざとなったら特別にオレ様を使わせてやる。と言うか、使ってくれ。タバサを守らにゃなんねえ』 「わかった……ハイウェイスターでやるだけやってみるが、正直このオッサンを止められる自信が無いぜ」 こくりと頷いて、噴上裕也は一旦タバサをその場に座らせ、壁にもたれ掛かるような姿勢を取らせた。 それから彼は、改めて目の前のスーツ姿の男に対して意識を集中させる。 既に発動させたハイウェイスターを通して、目の前の男の「臭い」はもう覚えた。 これでこの階層内にいる限り、何処にいようと完全に位置を特定出来る。 そうした自分の能力に対する「自信」が、噴上裕也の精神に勇気を与える。 「おやおや、本当にやる気かね……これは困ったな、一体どうすれば信じてくれるのかね?」 やれやれとでも言いたげに、スーツ姿の男が肩を竦める。 そのショックで、サンドイッチに掛けていたペッパーが舞い上がり、男の鼻腔へと侵入して行く。 「……ヘ、ヘ、ヘブショッ!!」 たまらずに、スーツ姿の男が大きなクシャミを上げた。その隙を見て、噴上裕也は高らかに宣言する。 「――今だッ!行け、ハイウェイスター!奴の養分を吸い尽くしちまえッ!」 近距離時の精密動作優先の操作に切り替えて、噴上裕也はハイウェイスターを目の前の男に向けて走らせる。その超高速のスピードによって、ハイウェイスターはあっと言う間に男の前へと辿り着き、その拳を叩き込もうとする。だが―― 「フム、これが幽波紋(スタンド)か…… 今まで戦ったことは無かったが、ま、こうなっては仕方が無いね。 では、少しだけお相手させて頂くとしようか」 そんな飄々とした言葉と同時に、スーツ姿の男が忽然と姿を消した。 「何ッ!?」 『――上だ!跳躍しやがった!』 「上だとォ~~~!?」 いち早く男の動きを察知したデルフリンガーの叫びに、噴上裕也は釣られて上方を見上げる。 その言葉の通り、噴上裕也の目に天井ギリギリの高さを滑空するスーツ姿の男が見えた。 『おでれーた!助走抜きであんな高さを飛ぶなんざ普通の人間じゃねぇぞ!?』 「ちぃッ…!ハイウェイスター、戻って来い!」 その動きで、スーツ姿の男の狙いが本体である自分であると察知した噴上裕也は、ハイウェイスターを自分達の元へとダッシュさせる。その自慢の超スピードで スーツ姿の男が着地するよりも早くハイウェイスターは噴上裕也達の元に到着。 特にタバサを最優先に守れる位置に陣取りながら、スーツ姿の男の動きを捉えるべく宙を仰ぐ。 「さあ来やがれ!来ると同時に、テメエの体から養分を全部吸いとってやるぜ!」 「ホホウ……なるほど、流石に素早いな。では、こんなのはどうかね?」 スーツ姿の男が落下し始める直前、サンドイッチを持っていない方の腕を天井に伸ばす。 「な……!?」 『なんだとォォォー!?』 まるで伸ばした腕に吊るされるように、男の体は地面に落ちることなく天井と並行の距離を維持したまま、天井の下を滑って来る。伸ばしている方の手の先端に、何やら光り輝く電光のようなものが見えた気がしたが、今はその光の正体よりも、スーツ姿の男が何処へ向かって移動しているかの方が、噴上裕也達にとっては遥かに重要だった。 このままではまずい。 男を止めねば、ハイウェイスターはおろか自分達の上まで通り過ぎて、背後に回られてしまう! 「プフゥ――ッ!」 動揺する噴上裕也を尻目に、スーツ姿の男は口元に含んだ何かを彼に吹き付けて来る。 もの凄い勢いで飛んで来るそれを回避しきれずに、噴上裕也は真正面から額にそれを受けてしまう。 「うぅおぉぉぉォ!?」 突然のビリッとした感覚と共にやって来た、体の隅々にまで電流が駆け巡っているような感覚に、噴上裕也は全身の身動きが取れなくなってしまう。そのショックで、スタンド発動の為の精神力が途切れてしまい、自分達の目の前においていたハイウェイスターの姿がゆっくりと消失して行く。 「よっ――と」 そして、噴上裕也の危惧通りにスーツ姿の男はタバサ達の背後へと回り込むことに成功する。 『しまった!おいテメエ、しっかりしろ!ヤツが後ろに回り込んだぞ!?』 「だッ!駄目だ…身動きが…全く取れねえ……!奴は……一体何をやりやがったって言うんだ……!?」 「そいつを今から教えてあげよう」 スーツ姿の男が、先程まで伸ばしていた手を口元に運びながら先程から変わらぬ軽い口調で言う。 「――「波紋」だよ」 「は……もん…だとォ!?」 噴上裕也は満足に首も回らない現在の自分の体を呪いつつも、スーツ姿の男に聞き返す。 「そう、波紋だ。東洋――と言っても私が生まれた世界の話だが、 ともあれにそこには「仙道」と言う不思議な術が伝えられている…… その中の秘術の一つに、体内の生命エネルギーを活性化させる特殊な呼吸法がある。 それによって生じた生命エネルギーが、まるで小石を落とした水面のように 波紋の形に類似していることから、そう呼ぶんだ」 「波紋……」 その場に座り込んでいたタバサが、点滴パックから口を離してスーツ姿の男を見やる。 「そして、さっき君にやったのは波紋を流し込んだサンドイッチのキュウリを額に当てることで、君の脳神経を混乱させて一時的に全身を麻痺させてやったってワケさ。 脳は肉体の全てに指示を与える大切な器官だからねェ」 「キュウリだとぉ~~~?」 本人からは見えなかったが、確かにタバサの目には、噴上裕也の額に緑色の物体が張り付き、更にそれがパチパチと小さな火花のような物を散らしているのが見えた。 「そう、キュウリ。あんまり強い波紋じゃないから、放っておけばすぐ動けるようになるよ」 「信じられるか、そんなコト……!」 未だに自由にならない体を必死になって動かしながら、噴上裕也が答える。 「だけど本当のことだからねえ……さっきも言っただろう?ホントに私は君らの敵じゃないんだ。 ただ君がどうしても信用してくれないので、今みたいにちょっと、ね」 軽く肩を竦めて、男は先程から手にしたままのスライスされた赤くて丸い物体をぴこぴこと動かす。 「あァ、ついでに言うと、さっき私が天井を滑ってるように見えたのも、このトマトに波紋を流すことでトマトと一緒に私の体を天井に固定してたからだったりするんだよ。 そしてこのトマトが元々含んでいた水分を利用して、天井を移動して来たんだが…… まァ、おかげでこいつを食べる前に随分とバッチィ目に遭わせてしまったな」 食べ物を粗末にするのはイカンからね、と言いながら、その男は手に持ったままだったトマトをそのままサンドイッチに乗せて、そのトマトごと手に持ったサンドイッチを平らげて行く。 「波紋……ジョナサンの…DISC…?」 「――ホウ」 タバサは壁に手を付いて、未だによろける体を何とか起き上がらせてその名前を口にした。 「波紋」と言う名前には聞き覚えがあった。 かつてタバサがこの階層に辿り着く前、吸血鬼―― と言ってもハルケギニアとは異なる世界で生まれた、異なる能力を持った吸血鬼だが、ともあれ彼らの使役する屍生人と戦った時に、様々な世界の人々の記憶が封印されている銀色のDISCの中を使って、タバサ自身も波紋を使ったことがあった。 そして、そのDISCを発動する際に頭に入り込んできた記憶の中に、目の前のスーツ姿の男に良く似た人物を見たことがあるような気がしたのだ。 「ジョナサン……ジョナサン・ジョースターか。 なるほどな、確かにこの世界ならば、彼の“記録”も何処かに存在していてもおかしくはないな……」 タバサの推測を裏付けるかのように、その男は懐かしむようにその名を呼びながら一人ごちる。 「見たことがある……」 タバサはかつてDISCで見た記憶を一つずつ思い出して行くかのように、ゆっくりと口を開いて行く。 「ジョナサン・ジョースターの先生……一緒に吸血鬼と戦って……ジョナサンを……守った……」 DISCで見た記憶の中でも、“彼”の最期の光景はタバサもはっきりと覚えていた。 元の記憶の持ち主であるジョナサン・ジョースターという人物にとっても、“彼”との出会いやその死は言葉では言い表わせない程の大きな意味を持っていたに違いない。 そして、そんな“彼”の生き様に深い感銘を覚えたのを、今でもタバサは忘れていなかった。 「君はどうやら私のことを知っているらしいが、お互いに初対面同士、ここは敢えて名乗らせて貰おう。 私はツェペリ。ウィル・A・ツェペリ男爵だ。 君達の「勇気」は認めるが、「勇気」だけではレクイエムの大迷宮は突破出来んよォー」 そう言って、新しいサンドイッチを取り出した彼は先程と同様にペッパーをたっぷりと振り掛ける。 そして舞い上がったペッパーに鼻腔を刺激されて、ヘブショ、とクシャミを飛ばしたのであった。 ゼロの奇妙な使い魔「タバサの大冒険」 To be continued… 第6話 前編 戻る
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autolink ZM/W03-001 カード名:雪風のタバサ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1500 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《メガネ》? 【永】あなたのターン中、このカードのパワーを+2000。 【自】アンコール[手札のキャラを1枚控え室に置く](このカードが舞台から控え室に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、このカードがいた枠にレストして置く) RR:話しても…ムダ SP:行かせない… レアリティ:RR SP illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 自ターン中は0/0/3500になれる優秀なアタッカー。 相手ターン中はパワー1500なので反撃にあいやすいが、アンコールを持つため復帰もしやすい。 アタックを受けた後のレベルアップの有無によりアンコールを行うかどうか選択できるため、柔軟に立ち回れる。 レベル0の自ターンパンプとアンコールを併せ持つカードとしてはP3の「コロマル」というものもある。 相手のターン中はあちらの方がパワーが高いが、こちらは継続して自ターンパワー3500を維持できる。アンコール前提ならばこちらの方が扱いやすいだろう。 なお、「微熱のキュルケ」とはイラストが繋がる。 ・関連ページ 「タバサ」?
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autolink ZM/W03-T05 ZM/W03-015 カード名:タバサ&イルククゥ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:4000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《竜》? 【永】このカードのバトル中、相手はイベントを手札からプレイできない。 【自】あなたのキャラのトリガーチェックでクライマックスが出た時、あなたは自分のキャラを1枚選び、そのターン中、ソウルを+1。 TD:イルククゥ「お姉さま、今日もすっごくかわいい。わたし嬉しい!!」 C:イルククゥ「お姉さま、何を読んでるの?」 レアリティ:TD C illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 相手のカウンターイベントを封じる永続効果を持つが、素のパワーは低め。 ジャックブラザーズや回復魔術といったパワー以外の効果を持つイベントも封じることができるので悪くはない。 もう一つの自動効果は強制であるものの、いざとなればバトルを終えているキャラや後衛に振ってやれば問題はなく、非常に使い勝手がよい。 何よりも集中によりストックを多用するゼロの使い魔において、0コストというだけでも偉いだろう。 ・関連ページ 「タバサ」? 「&」?
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タバサ「仗助、あなたは貧乳と巨乳どちらがいい?」 仗助「やっぱり、ボインちゃんのうぐぉぉぉぉっ」 タバサ「ウィンディ・アイシクル・・・あなたは私を怒らせた」 承り「なかなか気にいった、いい先生だ」 ジョセフ「マジか承太郎!マジに言ってんの?おまえ」 タバ茶『ロリコンと貧乳好きは似て非なるもの味』出た!
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《タバサ/tabasa》 効果モンスター ☆1 ヤンデレ属性/魔法使い族 ATK:1100/DEF:1000 このカードは戦士族としても使用できる。手札を1枚捨てることで、 墓地からDark属性または二次元属性のモンスターを, フィールド上に特殊召喚することが出来る(相手のフィールドでも構わない)。 自分のドローフェイズにこのカードがフィールド上に存在する時、 レベル8以上のモンスターが手札にある場合、 「いいぜぇ…来い・・来いよ…俺は…ここにいる! ロリィィィィィィィィゼッ!!(スカイガールズ的な意味で)」と叫ぶ。 これを拒否した場合、自分は手札を1枚捨てなければならない。 何に使うんすか?と言いたくなるカード。 墓地からの蘇生効果は利用価値がありそうだが、Dark属性と二次元属性のモンスターが少ないので、 あまり価値のないモンスター。 魔法使いなことを利用して、ディメンション・マジックで召喚するぐらいにしか使えないと思われる。 そして…叫ぶのは、精神的なダメージを負うので、極力避けてほしい。 性格や人物像 各自の想像に任せます(ちょ 性別 各自の想像n(銃殺 一人称 私 使用デッキ 雪風の死者シリーズ 執筆作品 わんだーでゅえる カオス度 計測不能 最近は、諒殻さん、足軽飛蝗さん、 Darkさん、闇紅さんを、自分の親友だと思い込んでいるらしい。 彼(彼女か?)曰く「閃光はわっちにとってヒナミザワ」なんだとか。 L5でありながら、わずかに自我を保てているという、 危険な二次元モンスター。 その上ヤンデレ(?)であるため、愛された人は、 周囲を警戒する必要もあるかもしれない。 振り返った次の瞬間に、天国へ行っている可能性も、否定できない(おま * 関連カード ダーク みらーんk.k 足軽飛蝗 諒殻 椰実 闇紅 闇紅 春舞刹奈 月光 黒猫 Ripple ドミノ くぎゅ [[]] [[]] [[]] [[]] [[]] FAQ(募集中) このカードを入れる場合、レベル8以上のモンスターは必ず入れなければなりませんか? -- 実はそんなに関わりのない人 (2008-03-05 10 59 43) A「出来れば入れてほしいかな(ぇ」 いつになったらカラオケができなくなる体になりますか?(おま -- カオス詩の詠み手 (2008-05-25 07 52 12) 名前 コメント A「一生なりません(何・ わかっているのか?私は全知全能の(ry」
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注)本SSは『HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました』スレに掲載された作品です。 タバサが大尉を召喚したお話 タバサの大尉-1
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第十話『タバサVSリンゴォ』 「…してやられたというわけか?」 「そうでもない。出来ればもう二度と戦いたくない」 目覚めたリンゴォがタバサに尋ねた。 シルフィードは、動けないリンゴォを落とさないように飛んでいるとはいえ、 結構なスピードだった。だがリンゴォはそれを恐れるような様子は無い。 戦いたくない、というのはタバサの本心だ。 別に卑怯とは思わないが、後ろからの不意打ちで無理矢理『決着』としたのもそのためだ。 「…ゴメンなさい」 「何がだ?」 「頭を踏みつけた」 「覚えていないな…」 そのときすでにリンゴォは昏倒している。 タバサの謝罪はリンゴォよりもむしろ、彼の主ルイズに向けてのものだった。 なにせ、使い魔の頭を踏みつけられたのだ。自分なら相手を殺してもおかしくは無い。 学院の上空に辿り着いた。虚無の曜日はまだまだ長い。もう邪魔は入らない。 残りの時間はたっぷり本を読もう。タバサはそう思った。 「ねぇキュルケ…あれ…何だったの………?」 「…さあ……。わたしにもさっぱり…」 日も沈みかけた頃、阿呆二人が轡を並べていた。 あれからリンゴォの乗ってきた馬を見つけるのに手間取ってしまい、 二人の虚無の曜日はほとんどそれに費やされた。 「タバサってばそういう趣味があるようには見えないんだけど…」 「わかんないわよ、ああいうおとなしそうな子に限って…」 日もとっぷりと暮れた頃、二人は学院へと帰りついた。 タバサは心底不機嫌だった。 結局、彼女の好きな一人の時間はほとんど潰れてしまったからだ。 捕えたリンゴォを学院長室へと連れて行き、馬泥棒を捕まえた旨を報告する。 馬を盗んだ件についてはリンゴォは特例的に不問とされた。 そこまではよい。リンゴォがどうなろうと、タバサの知った事ではない。 ――だが―――――― 「え? ミス・ヴァリエールはまだ帰っとらんのか。じゃあしょーがないの。 ミス・タバサ、また逃げられるのもなんじゃから、彼女が帰ってくるまで、 その…リンゴォ君? ――を見てあげといてくれたまえ」 なんで自分がなのだろう? 少々の反論はしたが、あいにくタバサは多弁ではない。隣の何考えてるかわからない男は、 もっと無口だった。年季も言葉の量も違う。結局タバサは『お守り』を押し付けられてしまった。 こんな事なら、キュルケを置き去りにするんじゃあなかった、とタバサは思う。 虚無の曜日に叩き起こしてくれたことに対する意趣返しのつもりだったが、裏目に出てしまった。 (過ぎた事は仕方ない) とりあえずリンゴォは自分に危害を加えはしない事はもう理解できた。 しかし、何が悲しくてこんな決闘マニアの面倒を見なくてはならないのだろう? (本を読む時というのは一人で静かで豊かで…何というか救われていなきゃあだめなのに……) 馬とはいえルイズたちもすぐに帰ってくるだろう、とタバサは我慢した。 幸いにもリンゴォは無口だ。本を読む邪魔はしないだろう。 リンゴォを部屋に連れ込むと、 「そこらの本は読んでもいいから」 ――とだけ告げて自分は自分で読みかけの本を読み始めた。 タバサの見通しは甘かった。 リンゴォはいくつかの本を手にとって開いていたが、興味がないのか飽きたのか、 しばらくすると床に座り込んで静かになった。最初から静かだったが。 静かな時間が二人だけの部屋を流れる。 ここで初めてタバサは気がついた。 この男、異様に存在感がある。ハッキリ言って、うっとうしい位に。 重苦しい空気には耐性のあるタバサだが、この男には別種の圧迫感がある。 気が散って本に集中できない。顔をあげてリンゴォのほうを見てみる。 ヒゲが真っ先に目に付く。あの口ひげを毟り取ってやりたい。力いっぱい。 視線を感じたのかリンゴォが顔を上げる。目が合ってしまった。見るな。 タバサは視線を下げるが、その時、『ヒゲどくろ』と目が合った。 結構カワイイ。アレは残しておいてやろう。 タバサの見通しは甘かった。 すぐに帰ってくると思われたルイズたちは、昼食の時間になってもいっこうに戻ってこない。 どの道このままでは読書に集中できないし、お腹も減ってきたので、 タバサはリンゴォと一緒に食堂へ行くことにする。 「あら? リンゴォさん、出て行ったんじゃなかったんですか?」 食堂に入る直前、メイドが話しかけてきた。 「戻ってきた」 「まあ! マルトーさんが聞いたら喜びますよ!」 その後二人は二言三言交わし、それを聞くとどうやらリンゴォは厨房で食べるようである。 タバサはついていこうとして、やめた。昼食の間だけでも、あの顔を見ないで済むからだ。 食堂のテーブルに着くと、タバサはほんの少しだけムッとした表情を見せた。 自分の好物のサラダがないのだ。 普段ならこんな事で動じはしないが、今日は特別イラついていた。 ハイペースで食事を済ませる。 厨房の外でリンゴォを待つが、自分が速すぎたのかなかなか出てこない。 なぜ自分が待たなければいけないのだろう? しばらく待って、ようやくリンゴォが出てきた。さっきのメイドも一緒だ。 「でも、リンゴォさんったら、すごいですねぇ」 「何がだ?」 「だってあんなにたくさん食べられるとは思いませんよ! マルトーさんも驚いてました」 人を待たせる時はもう少し速く食べて欲しい、タバサはそう思った。 「だってあれって、ものすごく苦いんですよ~?」 なんだか嫌な予感がする。 「はしばみ草っていって、普通の人は一口でギブアップですよ!」 胃が痛くなってきた。 「まさか、一人で全部食べるなんて今でも信じられませんからね」 頭痛までしてきた。 「アレで全部だったのか…。全部食べて良かったのか?」 「全然構いませんよ! どうせ食卓に出してもほとんどの方は残されますから! マルトーさんも言ってましたよ、『アレを食べて平気なのは、よほどの大物かバカだ』って」 本人を目の前にして言う事だろうか? 追い討ちをかけるのはやめて欲しい。 食後タバサは図書室へ向かうことにした。部屋で二人っきりになるのは懲りたからだ。 その足取りはどことなく重い。 それにしても、ルイズはまだ帰ってこない。早く帰ってきて欲しい、心からそう思った。 図書室には結構な人数がいたが、それでも室内は静かだった。 別に立ったままでも本を読むくらいたやすいが、リンゴォのこともあるため本棚の近くの席に陣取る。 リンゴォはあまり本に興味はないようで、他に見るものもないのか、おとなしくしている。 図書室の広さのせいか、リンゴォの気配はあまり感じない。 やっと静かに本が読めるようになった。 だが、本を読み進めていくうちに再び背後が気にかかりだした。 ふと周りを見渡すと、室内はガランとしていた。よく見ると司書もいない。 見ていると、一人、また一人と退室していき、その度に空気の濃度が濃くなっていく。 遂に室内がリンゴォとタバサ二人きりになった時、タバサは色々と諦めた。 とにかく、この男も何か本にでも集中していれば、こんな無駄な圧迫感は出さないのではないか。 そう仮説を立てたタバサは観念してリンゴォに声をかける。 「…何か本でも読んだら?」 「字が読めん」 「そう……」 何か自分は悪い事でもしたのだろうか? リンゴォのヒゲを見て、タバサは彼が自分の後ろに立ちっぱなしだった事に気がついた。 成程、真後ろにずっと立たれていては、本に集中できるはずが無い。 「座ったら?」 ――なぜ、ましょうめんにすわる―――― 本を読むことを完璧に諦めたタバサは、リンゴォに字を教えてやることにした。 もう、ヤケクソだった。 日も完璧に沈んだ頃、ようやくルイズたちが帰ってきた。 タバサにとって幸いだったのは、リンゴォが物覚えのいい生徒だったことである。 ただの文盲かと思っていたが、こちらの文字を知らないだけのようだった。 初心者にしては、一日でかなり理解が進んだほうだろう。 「感謝する。これで新聞くらいは読めそうだ」 新聞とは何かわからなかったが、その一言だけでも報われた気がする。 リンゴォがルイズとともに去って、タバサはようやく一人の時間を手にする。 虚無の日とはこんなにも長い一日だったのか、あらためて思い直した。 とはいえやっと一人で本が読める。 安堵の表情を浮かべたタバサだが、自分の読みかけの本がないことに気付く。 「ちょっとタバサ! 聞いたわよ、あなた一日ずっとダーリンといたんですってね!」 キュルケが何か言ってくるが無視。代われるものなら代わってほしかった。 自室に辿り着いたタバサは、部屋の隅に目を留める。 少し大きめの袋だ。タバサには覚えが無い。多分、リンゴォの忘れ物だろう。 本来ならば無礼な行為だが、彼に気を遣うのもバカらしく思ったタバサは、袋の中を覗いてみる。 中には、小銭の入った袋と、何かの包み。それと、奥のほうに白くてわかりにくかったが、 女物のパンティ。 返すのは明日でいいだろう。今日はもう疲れた。 タバサは包みの中身も気になった。 包みを解くと、それはただの弁当だった。いや、ただの弁当ではない。 タバサの目に、『あるもの』が留まる。 「はしばみ…草……」 夜中になって、リンゴォがタバサの部屋を訪ねてきた。忘れ物のついでに本を返しに来たらしい。 タバサは、ほんの少しだけ軽くなった袋をリンゴォに返したが、当然気付く事は無い。 今日はこれだけ付き合ってやったのだ。その『代金』――タバサはそう思った。 翌日、腹を壊した。
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autolink ZM/WE13-09 カード名:物静かなタバサ カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:1 トリガー:0 パワー:7000 ソウル:1 特徴:《魔法》?・《王族》? ノーマル:キュルケ「何よ、まだキスもしてないの?」 タバサ「……」 パラレル:キュルケ「頑張るのよ、悔いが残らないように」 タバサ「……」 レアリティ:C illust. パラレル版はイラスト・フレーバー共に別。 ・関連ページ 「タバサ」?
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「それじゃあ行ってくるね。」 ラグナがドアを開けようとすると後ろからタバサに呼び止められた。 「ま、待ってください!あの、目を閉じてもらえますか?」 なにかおまじないでもするのだろうか。 不思議に思いつつも、言われたとおりに目を閉じる。 するとラグナの胸板にタバサが手の平を優しく置いた。 「いってらっしゃいませ。」 ラグナの唇にタバサが唇を重ねる。 いきなりのことにびっくりしてしまったが、タバサの一言ですぐに意味を悟る。 とても浅いキスなのに、唇の柔らかさや髪の甘い香りやわずかな震えなどが一瞬で伝わってくる。 このまま離れたくない、離したくない。 本来ならばこれで唇を離して微笑むはずなのだが、タバサも同じ気持ちらしく、一向に唇を離そうとしない。 ラグナはタバサの頭と腰に手を回す。 「んっ!」 ピクンとタバサが反応する。 腰を引き寄せ、顔を傾けて強く唇を押し付ける。 さっきまでとは全く違う、乱暴で激しいキス。 いってらっしゃいのキスのはずだったが、ラグナは完璧にそのことを忘れ、ただタバサの唇に夢中になっていた。 「んっ・・ふっ」 ラグナのついばむような唇の動きに翻弄され、タバサからわずかな呻きが漏れる。 胸に添えられていた手はしっかりとラグナの服を掴んでいる。 ラグナは唇を動かすのをやめ、舌をタバサの口内へと侵入させる。 薄く閉じられてる歯をこじ開け、その先にある舌を自分の舌で搦め捕る。 「んっ!・・・ふう・・・・はぁ・・・ふっ」 タバサの熱くなった鼻息がかかる。 くちゅくちゅ、と湿り気を帯びた音と息継ぎをする声が淫猥な音になって頭に響く。 ゾリゾリと舌同士が絡み合い、口の中が唾液で満たされていく。 舌をゆっくり引くと、タバサの舌がつられたように外に這い出してきた。 すかさず唇で捕まえ、舌の先端を舐め上げる。 「っ!んんっ!」 舌が逃げないようにしっかり挟みながら、単調にならないように、しかし休みなく舐めつづける。 「んぁ、はぁ、はぁ、あっんっ!」 唇を開いて舌を解放すると、タバサが自分から舌を絡めてきた。 その動きに合わせるようにラグナも舌を動かす。 二つの舌は競い合うように激しさを増していき、互いの口の間でゾリゾリ、くちゅくちゅと唾液を滴らせ卑猥な光を放ちながら別の生き物のように蠢き、絡まり会う。 「んん!んふっ!ふっ!んぁ、ふ、ふっ、ふっ!、んんんんんっっ!!!」 一際高い嬌声とともにタバサの舌が離れ、服を掴んでいた手が緩んだ。 あんなに激しいキスは初めてだったのでイッてしまっても無理はない。 ラグナは口の回りや顎を汚している唾液を拭ってあげると、その手をスカートの中に這わせた。 「ま、まっれ!まっれくらさい!」スカートの中を探ろうとしていた手を慌てて止められる。 あんまり舌を虐めすぎたせいか、呂律が回ってない。 タバサはなんとか呼吸を調え、舌の動きを再確認すると 「ま、まだ家事も何もしてないですし、ラグナ様も畑仕事やモンスターの世話をしないといけないですし・・・」 タバサの言いたいことはわかったが、ラグナは敢えて何も言わず、制止する手も意に介さないで強引に秘部に触れた。 「んああ!!」 表面に触れただけなのにビクン!と体を震わせ、高い声を上げる。 余程キスが気持ち良かったのか、タバサは下着どころか内股までぐしゃぐしゃにしていた。 「こんな状態で家事なんかできる?」 意地悪く尋ねると長い耳の先っぽまで朱くしてそっぽを向いてしまう。 「ラグナ様がこんなにいやらしい人だなんてしりませ、ひゃあああん!!」 タバサが話し終える前に膣内に指を差し入れる。 拗ねてるタバサを見ていたい気もするが、こっちも我慢の限界だった。 イッた直後の膣内はとても滑りがよく、指1本なら簡単にくわえ込んでしまう。 「ああっ!らぐ、なっさまぁ!」 指を出し入れすると同時に膣壁を擦る。 「だめっ、だめ!また、イッちゃ・・!」 タバサが2度目の絶頂を迎える前に膣内から指を引き抜く。 もう本当に限界だった。 エプロンの肩紐を外して腰まで下ろし、ファスナーを下げて上半身だけワンピースを脱がすと真っ白なレースのついたブラがあらわになる。 自分のズボンから固く反り返り力強く脈打ってるものを取り出す。 まだ隠されてる乳房や薄い桃色の乳首を想像するだけで、それは硬度を増していく。 「ら、ラグナ様、ここでするんですか?」 タバサが困惑した表情で聞いてくる。 「ごめん、タバサ。もう一秒だって待てないんだ。」 そう言ってショーツを脱がし上着を脱ぎ捨てると、亀頭を膣口えとあてがった。 「それじゃあゆっくり入れるから、できるだけ力をぬいてね。」 「は、はい・・・」 両手でタバサのお尻を抱え足を腕にかけた状態で、少しずつ亀頭を膣内に侵入させる。 普通なら力の加減が出来ないような体位だが、タバサの軽さとラグナの腕力の強さでなんとかなりそうだった。 「くっ、ふっ」 首に回された腕に力がこもる。 まだ亀頭は隠れていないが膣内は固く閉ざされている。 タバサの膣は少し狭く反対にラグナの陰茎は普通よりも太いため、最初の頃は入れるだけでかなり時間がかかった。 最近では割とスムーズに入るようになったが、それはベッドの上の話しであり、こんな状態で力を抜けというのは無理な話しだった。 「っ!タバサ、大丈夫?」 「んっ、ふっ!んっ、は、はい、くっ!」 返事をするのも辛そうな状態で答える。 「あと少しだから、もうちょっと頑張って」 更に慎重にタバサを下ろしていく。 「イッッッ!」 やっと半分までいったと思ったところでタバサが声をあげた。 痛い。 きっとそう言いたかったのだろう。 言ってしまったらラグナはすぐに挿れるのを止め、必ずごめんと謝る。 「くっ、ふっふっ」 タバサはそう思い首に強く抱きついて堪えていた。 「タバサ」 ラグナは耳に触れないギリギリの距離で言う。 「愛してる。」 「んっ!・・・ふぇ?」 完全に不意打ちだった。 魔法の言葉を聞いた途端タバサの全身の力が抜け、ラグナの上にストンと落ちてくる。 「あ、・・ああああああ!!」 一瞬の間の後、タバサが激しい声をあげ、膣内をビクン!ビクン!と痙攣させながら接合部から愛液を吐き出す。 「あ、ああ・・・ラグナ、さま・・・」 呆けるタバサを支えながらラグナは必死に射精感を堪えていた。 タバサの膣はただ締めつけるだけならまだしも、ぐねぐねと波打ち、きつく締めたと思ったらいきなり緩み、またきつく締める、というようにラグナの陰茎を絶えず刺激していた。 せっかく完全に繋がったのに、ここで射精してしまったら意味が無い。 「くっ!うごくよタバサ」 「はぁ、はぁ、はい、ラグナさまも、気持ち良く、ふっ!・・・なってください」 こんな状態でもタバサはラグナを気遣うことを忘れない。 「ありがとう。」 まだ膣内はきついので、子宮から少しだけ戻し、すぐに突き上げる。 「あん!」 短いストロークで腰を動かし、何度も何度も子宮口をノックする。 「はあ!あ!あ!あ!ん!そん、なっ!ふっ!こき、ざみにっ!」 支える手に力が篭り、汗で湿った褐色のお尻が、ラグナの指の跡が付くぐらいに歪む。 「あ!ん!は!は!」 タバサの膣内もだいぶほぐれてきた。 ラグナもそろそろ限界だ。 こんな小さなもどかしい動きではなく、もっと乱暴に、もっと激しくタバサの膣内全体を犯し尽くしたい。 小刻みに子宮を突くのを止め、カリで愛液を掻き出しながら外に引き抜く。 「はぁ、はぁ、ラグナ様?」 「少し乱暴にするけど大丈夫?」 タバサは嫌がるどころか目を輝かせて 「はい、ラグナ様の好きなようにしてください」 と言った。 「ありがとう、それじゃあいくよ」 ラグナは再び亀頭を膣口にあてがい・・・一気に突き入れた。 「んあああああ!!」 タバサは声と共に膣内を痙攣させる。 先程とは違いラグナは陰茎を入口まで戻し、また子宮を突き上げる。 「ああん!はあ!ふっ!んあ!あん!」 膣内全体を犯すように大きなストロークで、しかし速度は決して落とさずに突きつづける。 「はあ!はあ!はあ!らぐ、はあん!」 タバサの体が上下し、汗でぐっしょりと濡れた体同士と、お互いの乳首が擦れ会う。 乳首はコリコリと舐め合い、タバサの絶頂を更に促す。 「はあ!あん!はあ!乳首、が!あん!」 ラグナは目の前にある尖った耳を舐め上げる。 「んあああ!」 また膣内が締まる。 「くっ!タバサ!もう、限界!」 「ああん!は!だしてっください!中に、たくさん!」 どちらからともなく唇を強く重ねる。 ラグナは子宮に届くように強く差し入れ、次の瞬間、大量の白濁した液体を一気に吐き出した。 「くっ!んん!」 「んんんんん!!?」 子宮を満たしてもまだ出つづける。 入り切らなかった分が接合部から溢れ、床にビタビタと白い水溜まりを作っていく。 暫くしてから陰茎を抜き唇を離すと二人は床に倒れ込んだ。 上の口も下の口も名残押しそうに糸をひいている。 「タバサ」 ラグナが口を開く。 「2階行こうか。」 「でも、私もラグナ様も仕事が・・・」 「こんな状態じゃ仕事なんて出来ないよ。」 タバサはクスッと笑って答える。 「いってらっしゃいのキスは、しないほうがいいですね。」 終
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《タバサ/tabasa》 色々と黒歴史が多い人。 1994年2月ぐらいに生まれて「くる」ヒマジン。 小さい頃に手術を何度かしているため、仮面ライダーになれるといまだに信じている。 守備範囲の広さに定評があるが、興味のない話題には、シカトといっていいほど干渉しない。 また、性格がコロコロ変わるという噂。 一人称は「私」 イライラしている時などは「俺」 チーム「カイザー」の、カオスの元凶(故) 同級生~3歳ぐらい年上までが好みのラインらしい。 国語以外のとにかく成績が悪い。 世界中の半分ほどが「消えてくれ」と望んでいる。 プロフリンクなど タバサ